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年長組 フレーベルの『恩物遊び』の様子

「恩物」はドイツの教育学者で幼稚園の創設者でもあるフリードリッヒ・フレーベルが考案した教育教具で第1から第20まで20種類あり、一般的には第10恩物までを「恩物」と呼んでいます。

その中でも年長児に特に適していると言われている第5恩物を、1月中旬から約2週間をかけて年長組の子ども達と楽しみました。

1クラスを3グループに分け、1回に約8名~10名ずつ、約一時間にわたり園長が指導しました。恩物は箱からの出し方や片付け方などを細かく手順が定められており、それに従い遊びを進めていきます。

第5恩物は21個の小立方体と6個の大三角柱と12個の小三角柱で構築されている立方体の構築積み木で「建築積木」とも呼ばれている教具です。

39片の積み木で構築されている立方体の最上段は小三角柱と大三角柱を組み合わせ積み上げられ、不安定な構造になっています。

慎重に積み上げないと崩れやすく、手先の器用さとバランス感覚が必要です。 子ども達の『出来たー!!』を大切に少しドキドキの緊張感も味わいながら楽しみました。

積み木を組み立てては壊し、又再び組み立てる事を繰り返しながら適度な緊張感と開放感が子どもの発想を豊かにし、時には息を呑み慎重に、時には大胆に構築しながら創造性や指先の巧緻性などを育てます。

子ども達は大人には創造すらつかない発想を思いついたり、関心するほど面白い物を次々に創造し毎回驚きの連続でした。

恩物の指導をしていると、慎重な子、器用な子、慌てんぼの子、思い切りの良い子、緊張しやすい子、想像力豊かな子など一人ひとりの性格が良く分かります。

園児の中には今回の体験をきっかけに構築や造形に目覚め、将来設計士など建築関係の職業に憧れる子が出るかもしれません。そんな事を思い描きながら子ども達と共に楽しみながら行いました。

子ども達はおよそ一時間の間、どの子も集中を切らすことなく『恩物あそび』に没頭しました。これだけの集中力があれば「小学校へ行っても大丈夫だよ」と、どの子にも太鼓判を押しました。